VyOS 1.3 設定方法

VyOS 1.3 WireGuard による site-to-site VPN(IPv4/IPv6)の設定

VyOS 1.3 での WireGuard を利用した site間のVPN設定を紹介します。
WireGuardの設定はIPsecに比べて設定項目が少ない比較的に簡単にできます。接続先のIP/ポート番号/公開鍵キーだけで設定することができます。またIPv4とのIPv6の設定の違いも接続先のアドレスが変更するだけでIPv6でのVPNも簡単に設定することができます。今回はVyOSにて2拠点間をIPv4およびIPv6でのVPNを接続する方法を紹介します。

検証環境

  • VyOS 1.3.0-epa2

IPv4によるWireGuard VPN拠点 site-to-site設定

構成図

vyos-01 , vyos-02 はそれぞれのsiteとして vyos-99は途中のインターネットのルータの扱いで構成しています。

VyOS 1.3 WireGuard IPv4 site-to-site 接続構成図

WireGuardの設定を未設定の状態では、vyos-01からvyos-02のeth1には通信可能ですが、eth0には通信ができません。途中のvyos-99にvyos-01のeth0 , vyos-02 のeth0 経路がなく Unreachableとなります。vyos-01 , vyos-02 間のeth0が通信ができない状態でWireGuardを設定することで vyos-01 の eth0 と vyos-02 の eth0 間が通信できるように設定します。

WireGuardの未設定状態での vyos-01の状況

vyos-01のeth1をsourceで宛先が vyos-02のeth1しかPingに応答がありません。残りはvyos-99に経路がないためPingに応答なくtimeoutもしくはUnreachableとなります。

WireGuard 接続用の秘密鍵、公開鍵の作成

vyos-01 , vyos-02 でぞれぞれに下記コマンドを実行して 秘密鍵、公開鍵を作成します。

下記コマンドで 公開鍵を確認することできます。 この情報は接続先でそれぞれ必要になります。

vyos-01 の WireGuard設定Config

vyos-02 の WireGuard設定Config

WireGuard 設定後 vyos-01 の設定状況

pingにて vyos-01 eth0 から vyos-02 の eth0 への 応答があることが確認できました。

show interface では wg0 が追加されています。

ルーティングテーブルには wireguardで作成した wg0 interfaceの Conneted 経路 および vyos-2の拠点向けに設定 static 経路が増加しています。

WireGuard の状況を確認することコマンドは下記にあります。

利用する機会が少なくコマンドかもしれませんが作成した 秘密鍵は下記コマンドで確認することができます。

VyOS 1.3 WireGuardでのIPv4 VPNのsite-to-site構成のConfig

IPv6によるWireGuard VPN拠点 site-to-site設定

vyos-01 - vyos-99 - vyos-02 区間をIPv6のみの構成として下記を設定します。 IPv6 にて VPNを構成して vyos-01 eth0 ~ vyos-02 eth0 区間の IPv4が通信できる構成を目指します。

VyOS 1.3 WireGuard IPv6 VPN site-to-site 接続構成図

WireGuard 接続用の秘密鍵、公開鍵の作成

vyos-01 , vyos-02 でぞれぞれに下記コマンドを実行して 秘密鍵、公開鍵を作成します。

下記コマンドで 公開鍵を確認することできます。 この情報は接続先でそれぞれ必要になります。

vyos-01 , vyos-02 でぞれぞれに下記コマンドを実行して 秘密鍵、公開鍵を作成します。

下記コマンドで 公開鍵を確認することできます。 この情報は接続先でそれぞれ必要になります。

vyos-01 の WireGuard設定Config

IPv4 との違いは 2行目の peer の address を Ipv6 に変更しています。

vyos-02 の WireGuard設定Config

IPv4 との違いは 2行目の peer の address を Ipv6 に変更しています。

WireGuard 設定後 vyos-01 の設定状況

ping にて vyos-eth0 から vyos-02 の eth0 への応答があることが確認できました。

show interface を確認すると eth1 には ipv6アドレスのみになり wg0 interfaceが追加されています。

ipv6 のルーティングテーブルを確認すると デフォルト( ::/0 )経路が vyos-99 に向いていることがわかります。

IPv4 のルーティングテーブルは 以前の構成には存在していた デフォルト経路 ( 0.0.0.0/0 ) および eth1のConnected経路がありません。 WireGuardを設定してことで wg0 の Connected 経路および vyos-02 eth0 向けのstatic 経路が追加されています。

WireGuard の状況を確認するコマンドは下記になります。IPv4構成との違いは endpoint が IPv6 の 2001:db8:2::2 となっています。

VyOS 1.3 WireGuardでのIPv6 VPNのsite-to-site構成のConfig

関連サイト

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