BGPとはダイナミックルーティングプロトコルの1つです。ダイナミックプロトコルは大きく2種類に分けることが出来ます。1つ目は組織内部の経路を交換するIGPプロトコル、OSPF,EIGRP,RIPなどの組織内経路交換をするダイナミックルーティングプロトコルになります。もう1つは組織間の経路を交換するEGPプロトコルになります。EGPは組織間の経路を交換するダイナミックルーティングプロトコルになります。現在EGPプトロコルはほぼBGP-4(以下BGP)で動作しています。インターネットの大規模な組織間の経路維持に活躍しているのもBGPになります。
AS(Autonomous System)とは
BGPでは管理する組織毎にAS番号を割り当て利用します。AS番号にはIPアドレス同様に世界で唯一のグローバルAS番号と、組織内で各自利用できるプライベートAS番号があります。インターネットで利用する際は固有のAS番号を取得して接続する必要があります。
グローバルAS番号 | 1〜64511 | インターネットで利用出来る固有の番号 |
プライベートAS番号 | 64512〜65534 | 組織内など自由に利用できる番号 |
4byte AS番号
BGP番号が枯渇した為、従来の2バイトから4バイトに拡張したものです。 4バイトのAS番号は2バイトずつ表記します。「0.0」 〜 「65535.65535」 で表記します。
RFC6286 BGP Support for Four-Octet Autonomous System (AS) Number Space
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バスベクタ型ルーティングプロトコル
AS毎にルート情報に加えパスアトリビュート情報を付与します。パスアトリビュート情報を元にベストパス(最適経路)を選択します。
デフォルトのパスアトリビュートでは、AS経路が少ない経路を選択します。
上図ではのAS100はそれぞれAS_PATHが短い方向に経路が向いています。
- 20.0.0.0/8 は Next-Hop 20.0.0.1 へ
- 30.0.0.0/8 は Next-Hop 30.0.0.1 へ
AS-PATHを利用してループフリー
AS-PATHを使うことでループフリーを実現しています。自身のAS番号を含むAS-PATHの経路は採用しないことで、ループを回避しています。
※AS内部iBGPでのループフリーの実現方法はスプリットホライズンになります。
TCP 179を利用
転送プロトコルにTCPポート 179 を利用して接続します。TCPを利用することで信頼性の高いルーティングアップデートが実行できます。
差分アップデート
アップデートは変更発生時のみ実行する差分アップデート。
BGP記事一覧
- BGPとは
- BGP Message (メッセージ)
- BGP neighbor 状態
- BGP i-BGP/e-BGP の違い
- BGP next-hop-self
- BGP ルートリフレクタ ( Route-Reflector )
- BGP パスアトリビュート
BGP RFC/関連サイト
- RFC4271 A Border Gateway Protocol 4 (BGP-4)
- RFC6793 BGP Support for Four-Octet Autonomous System (AS) Number Space
- IANA Border Gateway Protocol (BGP) Parameters
BGP参考図書
私が所持しているBGP関連の本を紹介します。ただし絶版になっている本も紹介していますのでご容赦ください。