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OSPF ASBR Summary-LSA (LSA-Type4)

OSPFv2 ASBR Summary-LSA (LSA Type4)を解説します。
ASBR Summary-LSA(LSA Type 4)はASBR(E bit)のRouter-LSA(LSA Type1)をエリアを超えるときにABRルータが生成するLSAになります。External-LSA(LSA Type 5)とASBR Summary-LSA(LSA Type4)を組み合わせて外部経路をルーティングテーブルに登録します。

OSPFv2 ASBR Summary-LSA(LSA Type4)のフォーマット

下記は、ASBR Summary-LSA (LSA Type4)のフォーマットになります。
先頭はLSA共通のヘッダーがあり、以降 ASBR Summary-LSAになります。
※Type 3,4 とは同じフォーマットなっている。

LSAヘッダーはLSA共通情報になりますので、本ページに記載がない項目は下記ページに記載されています。

LS Type = 4

ASBR Summary-LSA は LS Type が 4 となります。

ASBRルータのルータIDが格納されます。

Advertising Router 

LSAを生成したABRのルータIDが格納されます。

Network Mask

Summary-LSA(LSA Type3)と互換性を保つためにNetwork Maskフィールがあるが、利用されないため 0x00000000 で埋められている。

metric

生成したAdvertising RouterかASBRルータまでのコストが格納されます。エリア内にLSA伝搬中は、値は変化しません。

TOS / TOS metric

OSPFの規格が検討された際にIPのTOSフィールド毎に異なるリンクのコストを替える技術がRFC 2328で定義されています。TOS毎にコストを定義できるように「TOS」「TOS metric」のフィールドが定義されています。TOS 0以外の時に利用するフィールドですが、この技術を実装しているルータは見たことがありません。

ASBR Summary-LSA の生成例

ASBR Summary-LSAはABRルータで生成されます。生成されたArea内で有効になります。さらに別エリアへのABRがある場合はエリア向けにASBR Summary-LSAが生成されます。
LSAを全部記述することは難しかったため、必要最低限のRoute-LSAと10.1.0.0/24のASBR Summary-LSAを記述した図となっています。
Area1のR1の10.1.0.0/24がAreaを超えてArea0(R3)Area4(R4) のそれぞれのABRルータでASBR Summary-LSAを利用して経路が登録されるまでを確認します。

R1 ( Router-ID 1.1.1.1)

今回R1のConnectインターフェイス(10.1.0.0/24)をOSPFに再配送(metric-type type1)しています。


R1は再配送しているので、Router-LSAには"E"-bitが付与されて、ASBRだと宣言します。※下記のshow ip ospf database router で該当LSAは AS Boundary Router と表示されます。

再配送された経路はR1はExternal LSAとして生成され、生成されたExternal LSAはすべてのOSPFルータに伝搬されます。
External LSAはmetric-type1,metric-type2の2種類があります、今回はmetric-type1としてLSAを生成しています。シードメトリックとして20します。
※詳細はExterl LSAで解説しますが、metric-type1では、シードメトリックと、生成されたRouter-LSAまでのコストを足した値を評価します。

R2 ( Router-ID 2.2.2.2 )

R2ではR1と同一Aea(1)となっているので、R1の外部経路(10.1.0.0/24)のmetric算出方法は、R1までのコスト 10(Router LSA や Network LSAをもとに算出) + External LSAのmetric 20 の合計 30になります。

R2はABRのため、Area1でRouter-LSAに"E"bit ASBAとなっているLSAを受信すると、そのRouter-LSAをもとにArea0側にASBR Summary-LSA(LSA Type4)を生成します。
生成されるASBR Summary-LSA(LSA Type4)は
・Link State IDは生成元のRouter-LSAのRouter-ID(1.1.1.1) を格納します。
・Metricは生成元のRouter-LSAまでのコストを格納します。※今回は metric 10 となります。

External-LSA(LSA Type 5)は、そのまま接続OSPFルータすべてに伝搬されます。metric値など変化なし変化なし(metric 20)

R3 ( Router-ID 3.3.3.3 )

R3は外部経路の生成元とは異なるAreaのため、R1の外部経路(10.1.0.0/24)のmetricの計算は、ASBR Summary-LSAのmetric 10 と、自身と生成されたASBR Summary-LSAまでのmetric(今回だとArea 0内のRouter-LSA,Network-LSAから計算)100 + External LSAのmetric 20 の合計 130 になります。

R3はABRのため、Aaea0で受信したASBR Summary-LSAはArea4向けにmetricを受信したASBR Summary LSAのmetric(10)と、受信したASBR Summary-LSAまでのmetric(100)を足し合わせた値をmetricに格納して再生成してArea4向けに広報します。

External-LSA(LSA Type 5)は、そのまま接続OSPFルータすべてに伝搬されます。metric値など変化なし変化なし(metric 20)

R4 ( Router-ID 4.4.4.4 )

R4は外部経路の生成元とは異なるAreaのため、R1の外部経路(10.1.0.0/24)のmetricの計算は、ASBR Summary-LSAのmetric 110 と、自身と生成されたASBR Summary-LSAまでのmetric(今回だとArea 4内のRouter-LSA,Network-LSAから計算)1000 + External LSAのmetric 20 の合計 1130 になります。

R4の受信した ASBR Summary-LSA(LSA Type4)はR3で生成されたmetric値(110)から変化なし

R4の受信した External-LSA (LSA Type5)は生成時からmetric値(20)は変化なし

パケットキャプチャーファイル Config 各種show結果

上記構成での、Configファイル、各種showの結果、OSPFを起動させて経路が収束するまでのパケットキャプチャーファイルを参考に置きます。

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著:ジョン・T. モイ, 監修:泰弘, 小原, 原著:Moy,John T., 翻訳:トップスタジオ

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